各種研修会
地域の医療・介護専門職等に対して、それぞれの職種がお互いの分野について知識を深め、関係者間の連携を円滑にすることを目的とした研修会を開催しています。
①入退院支援研修会
福岡市内の医療機関での救急・入院・治療が行われることが多い糸島市の現状を踏まえ、近隣の医療機関と糸島市の地域包括支援センター・居宅介護支援事業所等をつなぐための入退院支援研修を行っています。
②多職種連携研修会
地域では一つのチームとなって在宅患者さんを支える医療介護の専門職。それぞれの役割や視点を学び、連携がやりやすくなるように、事例検討やグループワーク中心の研修会を行っています。
③専門職向け研修会
他にも医療介護専門職向けに、疾患理解の基礎講座や感染症対策、アドバンス・ケア・プランニング、災害支援など、社会情勢や現場のニーズに合わせた研修を行っています。
④地域の食支援力をアップする研修会
糸島医師会病院のNSTチームや歯科医師会との共同企画で、地域全体の食支援力を上げるための勉強会を行っています。看護師や歯科衛生士、ST、栄養士、介護職などの食支援に直接関わる方だけでなく、ケアマネやソーシャルワーカーなども参加し学んでいます。
⑤ソーシャルワーカー研修会
地域の医療機関や行政機関、地域包括支援センターなどに在籍するソーシャルワーカーを対象に、顔の見える関係づくりやスキルアップを目的とした研修会を開催している。
地域リーダー・圏域リーダーの取組み
地域リーダー・圏域リーダーは福岡県の「多職種協働による在宅チーム医療を担う人材育成事業」をもとに始まりました。
2018年度から、糸島市内を5圏域(前原東・前原・前原西・志摩・二丈)に分けて、それぞれの地域で各職種(医師・歯科医師・薬剤師・行政・地域包括支援センター・ケアマネ・ヘルパー・リハビリ・訪問看護)の代表者が多職種連携のリーダー的役割を担っています。
各圏域の特徴・地域課題やニーズを検討し、より実践的な多職種連携研修会の企画・運営を行ってきました。2018年度・2019年度には各圏域での「チームアプローチが分かる事例検討会」(模擬事例を多職種で事例検討)を実施し、2018年度は5圏域で合計258名、2019年度には4圏域で合計229名が参加しました。
2019年度の終盤に新型コロナウイルス感染症が広がりを見せ、1圏域での事例検討会が中止となったり、その後2年間はオンラインでの圏域リーダーへの研修にとどまったりしました。
2022年度には活動が再開し、各圏域での地域課題の検討と「糸島あるある会議」と題した課題解決のワンアクション(はじめの一歩)の検討が始まりました。
翌2023年度にそれぞれの圏域でワンアクションを実施、年度末に全体の発表会を開催しました。各圏域で6~8回の圏域リーダー会議が実施され、非常に活発な活動となり、リーダー同士の関係性も深まりました。
各圏域の「あるある課題」は次の通りです。
【前原東圏域】 高齢者の特技を生かす町づくりへ
【前原圏域】 難聴による高齢者の孤立や認知症を防ぐ
【前原西圏域】 認知症を学ぶ、備える、つながる オレンジフェスタの開催
【志摩圏域】 8050問題、50側にどんな支援が出来るのか
【二丈圏域】 生活インフラ(宅急便やごみ回収業者など)による高齢者の見守り実態調査
入退院支援の流れとポイント
地域包括ケアシステムの中で、高齢者の病気の治療は「ときどき入院、ほぼ在宅」が基本になり、入退院時には切れ目のない支援の継続が求められています。このため入退院支援に係る情報共有には現在、診療報酬・介護報酬上にも様々な加算が設けられています。
多くの医療機関では入退院支援部門が設置され、専任の看護師・ソーシャルワーカーが対応しています。また行政と医療機関、介護事業所などが検討し、入退院調整に係るガイドラインやルールを策定する県・市町村も増えています。
ここでは一例として、急性期病院から在宅への入退院支援・ケアマネジャーとの連携の流れとその時に大切にしたいポイントを整理しています。
(1)入院前
ケアマネジャー:利用者に対して、入院時に担当ケアマネジャーの氏名等を入院先の医療機関に提供するよう依頼することが義務付けられています。
医療保険証、介護保険証やお薬手帳と一緒にケアマネジャーの名刺を入れておくようにするとスムーズです。
(2)入院直後
病院:急性期病院では、入院から3日以内に退院支援が必要な患者のスクリーニングをします。また7日以内に患者・家族と面接を行い、入院の様子や意向の確認を行います。また退院支援の方向性を検討するためのカンファレンスを実施します。
入退院支援加算(1) 入退院支援加算(2) 地域連携診療計画加算
ここでは入院前の身体・精神・社会的背景を病棟スタッフと共有し、介護福祉サービスの利用状況、褥瘡・栄養評価、薬剤管理などの情報も重要です。ケアマネジャーからの依頼事項は記録に残しスタッフ間で共有します。また患者さん・ご家族が十分に病状を理解し、意思決定をしやすい環境を作ることを意識して関わります。
ケアマネジャー:利用者が入院したら3日以内に在宅生活における現状と課題の情報伝達を行います。コロナ禍で面会での情報収集の機会が減っていますので、紙面での報告や病状説明の機会に同席、病院から患者さん・ご家族に渡された書類を確認するなどの工夫がされています。 入院時情報連携加算(1)(2)
特に、普段から病気や治療のことをどのように話していたか、暮らしのなかで大切にしていること、将来やご家族への希望などは、病院にいる短時間では把握しにくい大事な内容です。
(3)入院中
病院:退院後の介護サービス等を見越した情報提供を行います。
介護支援連携指導料(2回まで)
今後の見通しが立たない患者さんについても、その状況を共有し退院支援が途切れないようにすることが大切です。また患者さんに関わっている院内の多職種からの幅広い情報は、退院後はなかなか得ることができない貴重なアドバイスです。多くの専門職の見立てを丁寧にケアマネジャーに伝えるよう意識しましょう。
ケアマネジャー:要介護区分の変更の必要性の検討、ケアプランの変更の検討の時期です。
病院からの説明内容を細やかに伝えてもらうようご家族にも連絡を取っておきます。
(4)退院準備期
病院:治療やリハビリのゴール設定が明確になるとおおよその退院時期が決まります。患者さん・ご家族から退院後の生活イメージを確認し、退院後に予測される問題について関係者と共有し、対応を検討します。
退院前カンファレンスの日程調整を行い、必要な情報を共有(場合によっては資料を作成)します。特に面会制限や外出・外泊が出来ないことで、退院後の患者さんの暮らしのイメージが十分に伝わっていないことが多く、伝え方の工夫が必要です。退院後の治療を担う医療機関との円滑な連携は退院後の再燃・再入院の事態を防ぐことにもつながります。情報共有を積極的に行い、必要な準備(処置、検査、衛生材料、処方等)について相談します。特に継続処置のある場合は、訪問看護導入を検討します。自宅への移送手段や介護サービスの変更に係る期間の確認を行い、退院日を決定します。
退院前カンファレンスが開催しにくい状況が続いていますが、事前準備を行い短時間で行ったり、オンラインで開催したりなどの方法が広がっています。 退院時共同指導(1)(2)
ケアマネジャー:収集した情報を踏まえて、利用者・家族をアセスメントし、生活課題の抽出、ケアプラン原案作成を行います。退院前カンファレンスについて連絡を受けたら、必要に応じて、介護サービス事業所等へ声をかけます。
退院前カンファレンスでは治療の経過、現在のADLとケア内容、継続している処置とトラブル対応、介護指導の内容、利用者・ご家族の希望と心配ごとなどを聞き、退院後の支援の方向性を決めます。また今後おこりうる状態像や緊急時対応については利用者・ご家族から聞きにくい場合も多く、状況をみながら医療スタッフに尋ねておくと良いです。
退院・退所加算(3回まで カンファレンス参加有・無)
(5)退院時
病院:必要に応じて情報提供書(診療情報提供書、検査データ類、看護サマリー、栄養サマリー、リハビリ関係連絡票、薬剤情報提供書など)を活用し、関係者に情報提供を行います。退院後はすぐにサービス担当者会議が開かれることが多いので、情報提供は円滑に行いましょう。
ケアマネジャー:居宅サービス計画に基づきサービス調整、在宅生活支援を開始します。サービス担当者会議では、退院前カンファレンスや退院時の情報を共有します。
(6)退院後
病院:必要に応じ、退院後訪問を行います。ケアマネジャーや訪問看護、かかりつけ医等からフィードバックがあった場合には、カンファレンスなどで病棟やスタッフへの共有を行います。
「入退院支援の質の評価」を多職種で行ってみましょう。在宅患者のQOL評価やMSWの退院支援実践の自己評価マニュアルなどを用いてアウトカムを得ることで支援の質の向上や課題の可視化を行う事が出来ます。退院後訪問指導料・訪問看護同行加算
ケアマネジャー:モニタリング結果や退院後の状況について、フィードバックをおこなってみましょう。医療は結果の積み重ねです。病院へフィードバックすることで、入退院支援の質の向上や関係性作りに役立ちます。
医療機器貸出事業
糸島市内の患者宅にて訪問診療を行っている医療機関、訪問看護ステーションを対象に在宅で使用する医療機器の貸出を行っています。
貸出物品
・超音波画像診断装置
FUJIFILM FAZONE CB
重量4kg USBで画像データのエクスポートが簡単 貸し出し可能台数1台
・解析付き心電計
フクダ電子 FCP-8600
大型ディスプレイ搭載により視認性、操作性が優れたモデル 貸し出し可能台数1台
・PCAポンプ
TERUMO テルフュージョン小型シリンジポンプ TE-361
8時間の充電で24時間バッテリー稼働も可能 貸し出し可能台数2台
・吸引器(充電式)
新鋭工業 ミニックDC-Ⅱ
充電式のため外出や災害時にも活用できる 貸し出し可能台数3台
・パルスオキシメーター
プローブタイプ ユビックスLUKLA 貸し出し可能台数2台
クリップタイプ マツヨシDX 貸し出し可能台数2台
・物忘れ相談プログラム
NIHON KOHDEN
アルツハイマー型認知症の早期発見などのための簡単なスクリーニング
テストプログラムです
・輸液ポンプ及び点滴台
TOP-2500
シンプルで扱いやすい輸液ポンプ、点滴台 貸し出し可能台数1台
ご利用方法
糸島メディカルカフェへ、お電話またはFAXにてお申込ください。
当事業所でのお渡しを原則としますが、緊急で使用される場合などはご相談ください。
貸出簿の作成と返却予定日の確認を行います。
注意事項
① 超音波画像診断装置・解析付き心電計・物忘れ相談プログラムは、最大2泊3日までの貸出とさせていただきます。事故防止のため、貸出中も往診先からお持ち帰りいただき、医療機関内での管理をお願いします。(患者さんのお宅や施設へ置いたままにしないで下さい)
② PCAポンプ・吸引器・パルスオキシメーター・輸液ポンプ・点滴台は使用方法をご説明の上、患者さんのお宅や施設へ設置いただいて構いません。
③ 機器については定期的な保守点検を行っていますが、故障や使用上の事故などの保証は出来かねますので、必ず貴院でも点検の上ご使用ください。
在宅療養支援診療所連絡会・訪問看護ステーション連絡会
糸島市内の在宅療養支援診療所の連絡会や、訪問看護ステーションの連絡会を開催しています。
訪問看護ステーション連絡会ではSNSグループを活用し、研修案内や新規開設事業所の紹介、診療報酬の解釈などの相談、コロナ禍においては事業所内感染時の相互支援体制づくりなど、実務の中でおこる様々な課題を互いに相談しあえる場になっています。